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CR回路応答(時間領域編その1)

CR回路応答(時間領域編その1)

電池と抵抗だけで構成される電子回路なら、オームの法則だけで説明できますが、実際の電子回路の多くは、抵抗とコンデンサとコイル それに半導体で構成されています。


このコーナーは、電子計測を始めたばかり、あるいはこれから始めようとするビギナーの方々を念頭に置いています。

そんな方々にとって、電子回路は今まで縁の薄いものかもしれません。
もちろん、機器設計を志すのでなければ、電子回路に関する詳細な知識は必要ありません。

ただし、計測器を使用するに当たって最低限知っておきたい回路の知識はあります。それがCR回路です。

CR回路とは、抵抗(Resistor)とコンデンサ(Capaciter/Condenser)で構成される回路のことです。

「自分は、計測器を使うが、抵抗やコンデンサは使わないぞ」
と思う方がいるかもしれませんが、実は単に計測器を使うだけでも、CR回路が自然に構成されます。


ほとんどの電子回路は、抵抗とコンデンサとコイル それに半導体の組み合わせでできています。
電子回路設計を志すのであれば、当然のこと半導体の勉強が必要ですが、単に電子計測器を使うということならば、機器の内部に触れるわけではないので、半導体に関する知識は必須ではありません。

従って、抵抗とコンデンサとコイルが分かれば計測に関する回路の最低限の知識が得られることになります。
ところが、中学校で習うオームの法則には抵抗(&電池→直流電源)しか登場しません。
そこでCR回路となるわけなのですが、CとRの二つではコイル(一般にはLで表します)が抜けています。

本来はコイルも含めて考えるべきなのですが、コイルとコンデンサはある意味で対になる関係があり、CR回路を理解できればコイルの理解は比較的簡単にできるため、初めにCR回路を理解することが大切です。


ここではCR回路が信号に対してどのような振る舞いをするかを「時間の領域」で考えることにします。
時間領域とは、波形で考えるということです。
理解は定性的な部分に留め、数式は使わないよう努めました。


初めは、図1のような回路です。
このような状態は、計測器の入力端子に急に信号が加わった時などに起こります。

コンデンサと抵抗を直列につなぎ、スイッチをオンしたときに、コンデンサの両端に現れる電圧の時間変化はどうなるか?という問題です。

なお、スイッチをオンするまでコンデンサに電荷は蓄えられていないものとします。

図1:CR回路過渡応答1

図1でスイッチSWをオンすると、電池からの電流が抵抗Rを通してCに流れてCを充電していきます。
従って、Cの両端の電圧Vxはスイッチオンと同時に緩やかに上昇します。


上記の現象は図2aに示すような大きなタンクに蓄えた水を細いパイプを通して小さな器に導く場合の水位の変化と同じです。

図2:器の水位とコンデンサの電圧 a

器の水位(コンデンサ両端の電圧)は、同図bに示すような変化をすることは容易に想像できます。

変化の速さは、水を受ける器の大きさ(コンデンサの静電容量)やパイプの太さ(抵抗の値)によって異なることも想像がつくと思います。

図2:器の水位とコンデンサの電圧 b

図3はこの様子をもう少し細かく見たグラフです。
なお、以下のグラフでは応答の最終値を1にしてあります。

横軸は時間ですが、目盛りは抵抗値Rとコンデンサの静電容量値Cを掛けた値を1として示しました。

図3:充電と時定数

CとRの積が時間になることに違和感があるかもしれませんが、定義上からも両者の積の単位は「秒」になります。そして、両者の積は、「時定数」と呼ばれます。

例えば、1キロオームの抵抗と1μFのコンデンサからなる回路の時定数は、1msです。

ここで憶えておきたいのは、

 ■カーブは、必ず指数関数の形を描く(相似形)。

 ■時定数と同じ時間が経過したときの電圧は、最終値(定常値)の63%になる。(青で表示)

 ■時定数の2.2倍で定常値の90%(緑で表示)に達する。

という3点です。


次に、図4に示す回路を考えます。

今度は、スイッチをオンする時点で既にコンデンサに電荷が蓄えられています。

前の状態で時間が十分に経過した場合と考えてもけっこうです。
その代わり、電池がありません。

図4:CR回路応答2

この場合も、水の流れに当てはめると考えやすいでしょう。
小さな器に水を満たして、細い管を通じて空の大きなタンクとつなぐことに相当します。

コンデンサに充電された電荷は抵抗を通して放電されるので、コンデンサ両端の電圧は徐々に下がっていきます。(図5)

図5:放電と時定数

このときのカーブの形は、充電の時のカーブを逆さにした形をしています。
時定数に対する関係も充電の時と同じです。


実は、これまで二通りの状態を考えてきたのには訳があります。

二つの状態を繰り返すと、ちょうどデジタル信号(パルス列)が回路に加わるのと同じ状態になるからです(図6)。

図6:ディジタル信号(方形波パルス列)

図7はその様子を示しています。
方形波パルスの上り坂部分は,最初に考えた回路の応答と同じ、下り坂部分は2番目に考えたのと同じ応答です。

結果として、パルス波形は、立ち上がり部分の角がなまった波形になります。

このような事態は現実の計測で頻繁に発生します。

例えば、センサーからの信号を計測器につなぐ場合、センサーの出力インピーダンス(抵抗)と、ケーブルの静電容量(コンデンサ)で、CR回路が構成されるため、センサー信号の立ち上がりが遅くなってしまうことがあります。

その量がどのくらいになるかは、先に憶えた3つのことから予測できます。

図7:方形波応答

ところで、図7はコンデンサへの充電が終わってから放電を開始し、放電が完了してから充電をするといったタイミングの信号が加わる場合を示しています。(図の横軸の目盛りが大きな値になっていることに注目してください)

では、コンデンサへの充電が済む前に放電を始めるような速い繰り返しのパルスが到来したらどうなるでしょうか。

図8はその時の様子を示しています。
同図は方形波の繰り返し時間が時定数の1/5の場合です。

方形波を入力したにもかかわらず、コンデンサ両端の電圧(回路の出力)は、三角波になっています。
厳密には直線ではなく指数関数のカーブなのですが、立ち上がり始めのごく一部分だけを見ていることになるのでほとんど直線に見えます。

図8:方形波応答 その2

方形波が三角波になると言うことは、実は信号を積分することに相当します。
方形波は部分的には時間に対して一定の値なので、数学的には定数で表せます。
三角波は直線なので一次関数です。
定数が一次関数になるということは、積分をすることにほかならないからです。

こうした理由から、これまで見てきた形のCR回路は「積分回路」と呼ばれます。


その2へ続く

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