計測器・測定器玉手箱

GP-IB

GP-IB

計測器とコンピュータを接続するインタフェースとしてGPIBが良く使われています。最近ではやや能力不足の部分もありますが、未だに計測器用インタフェースの主流であることに変わりはありません。


20年ほど前であれば、計測器とコンピュータさらにプリンタやプロッタなどの周辺装置を接続するインタフェースとしてRS 232Cが主に使われていました。しかし、RS 232Cはデータを直列に送るシリアル転送なので速度が遅く計測には不向きでした。
そこで、HewlettPackard社がHPIBという8ビットパラレルの自社計測器専用のインタフェースを開発しました。
その後、世界の計測器メーカ各社がHPIBに対応した計測器を開発するようになり、HPIBはIEEE-488(アイトリプルイーよんはちはち)という公的な規格となりました。
これが一般にはGPIB(GeneralPurposeInterfaceBus)と呼ばれるものです。
厳密には三者は異なる部分もありますが、同じ物と思って差し支えありません。

GPIBでは,最大15台の機器を接続することができます。機器は数珠つなぎにしても、星型につないでもかまいません。ただし、ケーブル長は反射などによる影響を考慮して、機器間で4メートル以下、全長でも20メートル以下にするように定められています。理論最大転送速度は1Mbytes/secです。

接続には、専用のGPIBコネクタとケーブル
を使います。このケーブルとコネクタは、プ
ラグ(オス)の反対側がジャック(メス)になっ
ていて、コネクタの上に更にコネクタを接続
できます。
親亀の上に子亀・・というわけなのでピギバ
ックケーブル(Piggy back:背に乗せて、おん
ぶすること)とも呼ばれています。

GPIBで結ばれた機器は、コントローラ、トーカ、リスナのいずれかになります。コントローラはバスの制御を行なったり各機器へコマンドを送ったりします。ただし、コントローラはシステムに一台だけです。(コントローラ無しもOK)。
トーカはデータをバスへ送出する役目、リスナはバスからデータを取り込むという役割を果たします。

また、接続する機器にはGPIBアドレスという識別番号を付けます。従って計測器の多くはアドレスを設定するディップスイッチが付いていたり、パネル面から設定できるようになっています。

GPIBは8ビットパラレル転送ですので、データラインは8本、各々のグラウンドを入れると計16本があります。GPIBではさらに3本ハンドシェイクラインと5本の管理ラインそしてシールドのラインがあり、全部で24本で構成されています。表に各ラインの意味を掲げました。

GPIBコネクタのピン配列

ピン No信号・記号機 能
1DIO1データ
2DIO2データ
3DIO3データ
4DIO4データ
5EOIEnd or Identifyデータ転送の終了
6DAVData validデータバス上のデータ有効
7NRFDNot ready for dataデータの受信準備完了
8NDACNot data acceptedデータを受け取った
9IFCInterface clearGPIB機器のインターフェス初期化
10SRQService requestコントローラへのサービス要求
11ATNAttentionコマンドとデータの識別
12シールドケーブルシールド
13DIO5データ
14DIO6データ
15DIO7データ
16DIO8データ
17RENRemote enableリモート制御/ローカル制御の識別
18グラウンドDAV用
19グラウンドNRFD用
20グラウンドNDAC用
21グラウンドIFC用
22グラウンドSRQ用
23グラウンドATN用
24グラウンド論理信号共通

EOIはデリミタと呼ばれデータの終了(区切り)を意味させるのに用います。データをASCII形式で転送するのであればデータの最後にCR/LFを入れることでデータの終了を表すことができますが、計測では高速度転送用にバイナリデータことがあり、その場合はデータラインにデリミタを入れることができないので設けられたラインです。

データを送る時は、リスナが受け取り準備完了(NRFD)を送り、次にトーカがデータバス上のデータが有効であることを示し(DAV)、最後にリスナがデータを受け取ったことを知らせる(NDAC)という3段階の手順を踏みます。これを3線ハンドシェイクと呼びます。

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