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プローブと測定器

プローブと測定器

プローブは測定器への入り口です。プローブの正しい使い方と選択法について知っておきましょう。
デジタルマルチメータ、周波数カウンタ、オシロスコープ、スペクトラムアナライザなど、一般的な電子計測器の入力端子の形状は、BNCなどのコネクタやバインディングポスト(ねじ式の端子)が採用されています。
また、測定器の入力インピーダンスは、50Ω、600Ω、100MΩなど測定器毎に固有の値を持っています。


これに対して、被測定物の形状やインピーダンスは実に様々です。
測定用のBNC端子が用意されていることはむしろ希であり、小さな部品の僅かな電極部分から信号を取り出さなければならないことも多いでしょう。
測定したい信号の電圧レベルが必ずしも測定器と一致するとは限りませんし、計測器側がシングルエンド形式(不平衡入力)であるのに対して、測定信号はバランス形式(平衡出力)ということもあり得ます。
さらに、測定器を接続することで被測定物の状態が変化してしまっては測定することの意味が無くなってしまいます(測定器の負荷効果)。


このように、物理的あるいは電気的な面で被測定物と測定器入力の条件が一致しない場合は、何らかの手段をもって両者を接続する工夫が必要になります。
この問題に対する一つの解答がプローブ(探針)の使用です 。

測定器用のプローブには、使用する測定器と被測定物の条件によって様々なものが用意されていますが、電子機器や回路の測定で、プローブを使うチャンスが最も多いのはオシロスコープでしょう。
そして、オシロスコープ用のプローブの中で使用頻度が高いのは「10:1のプローブ」です。先端はカギ型のピンになっていて、グランド側はクリップコードが付いています。(図1)殆どの場合、付属品として本体に添付されています。

図1: 10:1プローブの例(写真は岩通計測製)

10:1プローブの10:1というのは、測定する電圧がプローブによって1/10にされてから計測器に入るという意味です。
電気的にはアッテネータ(減衰器)として動作します。
したがって、計測値は測定器の指示を10倍して読みとる必要がありますが、最近のオシロスコープでは本体側でプローブが接続されたことを自動検出して、指示を10倍して表示するものが多くなっています。


被測定物と測定器を物理的に接続するだけであれば、1/10にする必要はありません。にもかかわらず、何故1/10にするのかというと、それは、測定側の入力インピーダンスを高くして、被測定物に与える影響を少なくするためです。(負荷効果の軽減)
図2にプローブ内部回路を示します。
多くの汎用オシロスコープの入力抵抗は1MΩ(図のRi)ですが、プローブを接続すると、直列に9MΩ(図のRa)が入るので 、被測定部から見た抵抗値は10MΩとなり、被測定物に与える影響が1/10に軽減されます。

図2:10:1プローブの回路

同様に、入力容量も測定器本体の入力静電容量(図のCi)に比べて少なくなります。
したがって、電圧が1/10になる事が問題無い場合は、常に10:1のプローブを使用するのが好ましいと言えます。


ただし、10:1プロープを使用する上で注意しなければならない点もあります。
その第一番目は、周波数特性のキャリブレーション(校正)です。
オシロスコープの入力抵抗は1MΩで殆ど誤差はありませんが、入力の静電容量にはバラツキがあり、プローブ側のケーブルの容量と内蔵抵抗や並列に接続されたコンデンサで形成される回路の周波数特性は平坦である保証はありません。
そこで、図2のCt(もしくはCsに並列接続したコンデンサ)の値を調節して周波数特性を平坦に保つことが必要になります。

通常のオシロスコープにはこのための信号出力(CAL端子)があり、プローブ側には、調整用のトリマコンデンサを回すための穴が開いています。
CAL端子には方形波が出力されているので、管面上の波形を見ながら、正しい方形波に見えるようにトリマを調整します。
写真(図3)は、その様子を示したものです。
使用するオシロスコープとプローブの定格が一致しないと、この調整が旨くいきませんので、プローブは必ず指定されたものを使うようにしてください。

図3:プローブの調整

次に注意しなければならないのは信号の接続です。
接続のコツは、端的に言えば「できるだけ短く」です。
最近は高速のデジタル信号を計測する機会が増えていますが、信号を接続する線が長くなったり、接続部分が大きなループを形成したりすると正しい波形を観測することができません。
また、被測定物がLSIのような場合は、通常のプローブ先端では小さな電極と確実な接触を得ることができません。さらに、適切なグラウンドの接続点にクリップをつなげない場合も多くあります。

このような場合に備えて、メーカからはプローブの先端形状を様々なものに変更できる各種のプローブチップ(先端部分の取り替え部品)が供給されています。
自分が頻繁に測定するアイテムに合わせたチップを何種類か予め用意しておくと良いでしょう。

図4:プローブチップの例(テクトロニクス社 カタログより)

意外と見逃しがちなのがプローブの接触不良と断線です。
プローブに用いられる電線は、曲げ等に強いものが選ばれていますが、それでも使い込むうちに断線や接触不良等を起こすことがあります。
不安定なプローブを使って確実性に欠ける測定をするよりは、プローブは消耗品であると割り切って、定期的に交換する心がけも必要です。


プローブとは直接関係ありませんが、立ち上がりの速い方形波を観測していると、図5の太線のように波形の頂点部分が長く尾を引く場合があります。

図5:表皮効果による立ち上がりの遅れ

これは、接続ケーブルの表皮効果に起因する現象で、正しい測定の妨げとなるので、パルスジェネレータなど、信頼のおける信号源を使って一度チェックしておきたい事項です。


10:1プローブだけがプローブではありません。
例えば、電流を測定する場合、回路に直列に抵抗を挿入し、その電圧降下から電流値を知ることができますが、その際の抵抗は、片側がグラウンドされている必要があります。
また、回路の特性上から抵抗を入れることが好ましくないこともあります。
こうした場合は、電流を電圧に変換する電流プローブを使います。

電流プローブにはいくつかの方式がありますが、最もシンプルなのは図6のように測定する電流線路とプローブとでトランスを構成するタイプのものです。
コアの中に測定する電線を通さなければならないので、コアが分解されて電線を挟み込めるようになっています。
また、このタイプのものは、トランスの原理を利用しているため、直流電流を測定することができませんが、変換部にホール素子を使って直流まで測定できるようにしたものもあります。

図6:トランス式電流プローブ

測定する回路が平衡回路で、2本の信号線がバランスしている場合は、各々の線をチャネル1とチャネル2に接続して、オシロスコープを「CH1-CH2」のモードにすれば測定可能ですが、この場合、測定器の平衡性は保証されないので、平衡回路では、できるだけ差動信号用のプローブを使うようにします。

図7:差動プローブの例(写真はテクトロニクス製)

プローブにはこのほか、入力部にFETを使うことで少レベルでも被測定部への影響を小さくした「FETプローブ」や、高電圧を測定するための「高電圧プローブ」、検出部とプローブ出力が絶縁されている「フローティングプローブ」などがあります。
また、測定器によっては、温度など電気量以外の物理量を測定するためのトランスデューサ(変換器)もプローブと呼ぶことがあります。

参考;テクトロニクス社 技術資料

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