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玉手箱

いろいろなデシベル

電子計測を行うに当たって避けて通れないのがdB(デシベル)の扱いです。
デシベルとは、単に比の値を対数表示したものですが、エレクトロニクス以外の分野ではほとんど使われる事がないので、取っつきにくいものです。
ここでは、デシベルについてのあれこれをまとめました。


デシベルは教科書などにあるとおり、以下で定義されます。

(E1,E2:電圧または電流) (P1,P2:電力)

例えば、ここに一台のアンプがあって、入力に0.1ボルトを加えたところ、出力に2ボルトが得られたとします。
このときのアンプの利得(増幅率)を、エレクトロニクスでは20倍と言わずに、26dB [20×log(2/0.1)=26] と言うわけです。


なぜこんな、ややこしいことをするのかというと、例えば、アンプを、何段もつなげるとします。
一台は20倍、次の一台は1.25倍、次の一台は1002倍・・・という場合に、さて全体で何倍くらいになるのか?、というときに、普通なら、かけ算を何度もやらなければならなりません。
ところが、デシベルは対数なので、各々のデシベル値の足し算で済みます。増幅ではなく信号が減衰する場合などは、わり算の代わりに引き算で済むので大変にラクなのです。


第二の理由は感覚との一致です。
利得が2倍のアンプと3倍のアンプではその性能に大きな違いがありますが、1002倍のアンプと1003倍のアンプは実質上ほとんど差がありません。これをデシベルで表すと、6dB(2倍)、9.5dB(3倍)に対して1002倍と1003倍はどちらもほとんど60dB(60.017dBと60.026dB)となります。
人間の感覚はこのように対数的であるためデシベルでの表現と良く一致します。

第三は、有効数字というか、エンジニアリングの世界で求められる実用的な数字の桁数です。デシベルというのは対数的な値なので、どちらかというとおおざっぱな計算に向いています。デシベルは小さな比の値から大きな比の値まで比較的揃った桁数で表現できます。デシベル値そのものも、計算機で計算するチャンスはほとんどありません。以下の表に掲げた大まかな値を憶えておけば、あとは一桁の足し算引き算だけで多くの場合事足ります。

電圧比(倍)1~10%までのパーセンテージルート2 →
1.41
2310
デシベル値1%が約0.1dB
(1.1倍で0.8dB)
3dB6dB9.5dB →
10dB
20dB

例1 :200倍は、10倍×10倍×2倍なので、デシベルでは
    20+20+6 で 46dB

比の値が1以下のときは、デシベルはマイナス

例2 :1/2は-6dB 1/3は-10dB 1/10は-20dB

例3 :14dBは(20-6)dBだから、 10倍× 1/2=5倍

計測で特に憶えておきたいのは、3dB(あるいは-3dB)です。
増幅器のやアンテナなどの周波数特性を規定する場合に、-3dB点(出力電力が半分になる周波数)で規定する場合が多いからです。

デシベルの理解でつまずきやすいのは、電力比なら10を掛けるのに、電圧比だと20を掛けるという部分です。

「同じ現象に対して二つのデシベル値があるのはおかしい」という意見を聞くことがありますが、実は同じ現象なら、電力で考えても電圧あるいは電流で考えてもデシベルの値は同じになります。

上の図と下の図の比率は20dB

右の上の図から下の図へ変化する場合、抵抗器 r にかかる”電圧”は10倍なので20dB。
一方、rで消費される”電力”は100倍になるので、やはり20dBです。

デシベルはもともとは比の値ですから相対値です。
ところが、比較の基準(定義式のlogの分母)を絶対値としたデシベルが存在します。
この場合、デシベル値も絶対値になります。
例えば、音響関係で音圧レベルの単位はdBですが、0dB、つまり基準の音圧レベルは20μPaです。


何故このようなデシベル値が使われるのかというと、扱う量の範囲が極めて広いため、対数的に扱わないと数字の桁数が大きくなって使いにくいからです。
例えば、音圧レベルでは人間の耳に聞こえる範囲は約120db,、つまり一番小さい音と一番大きな音との比率は100万倍くらいあるのですが、これを1,000,000倍や1×10の6乗と書くよりは120dBのほうが扱いやすいし、感覚的にも扱いやすいのです。
以下に絶対値としてのデシベルの例を掲げます。

単 位意     味
dBm1mW(ミリワット)= 0 dBm(デービー・エム)
電話など600Ω系での0dBm時の端子電圧は 0.775Vになる
dBV1V(ボルト)= 0 dBV(デービー・ブイ)
dBμ1μV(マイクロボルト)= 0 dBμ(デービー・マイクロ)
通信機など50Ω系の終端電圧は 107dBμ=0dBmになる
dBi球形の放射パターンを持つアンテナの利得=0 dBi(デービー・アイ)
基準を半波長標準ダイポールアンテナとした場合は0dBdで表す
dB音圧レベルでは 20μPa(マイクロパスカル)=0dB
音の強さのレベルでは 10のマイナス12乗ワット・平方メートルが0dB

最後に、デシベルという名前ですが、デシベルのベルは電話を発明したあのグラハム・ベルのベルです。
デシの方は、定義のところで、比率の対数を10倍もしくは20倍するので、10分の一という意味の”デシ”が付いています。

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