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玉手箱

ケーブル接続の基本

センサと電子計測器、あるいは計測器と計測器などを接続する場合、ただ漫然と接続するのと、さまざまな注意を払って接続するのでは、計測の信頼性に大きな差が表れます。


電子計測器はそれだけでただの箱に過ぎず、計測対象と計測器を接続してはじめて機能します。

さらに、多くの場合、センサと電子計測器、あるいは計測器と計測器をケーブルで接続します。

そこで、今回は計測器とほかとのケーブル接続にまつわる基本事項をピックアップしてみました。


専用の治具を使う高周波用の部品計測などでは、計測対象と計測器はごく短い距離で結ばれますが、ほかの多くの計測では計測対象と計測器は数十センチから数メートル程度の距離があります。

これらは一般的に計測器に付属するコネクタあるいはミノムシクリップ付きの同軸ケーブルや通常の電線、シールド線などを使って接続されます。

しかし、ただ漫然と接続するのと、さまざまな注意を払って接続するのでは、計測の信頼性に大きな違いがあります。


図1は機器にケーブルを2本つなぐときの図です。

例えば、試作した電子回路の特性を計測するために、回路から延ばした電源ケーブルを計測用の直流電源のバインディングポストに接続する場合がコレに当たります。

信号発生器の出力をミノムシクリップ付きのケーブルで回路につなぐ、といった場合も同様です。

図1:どちらを先につなぐべきか

さて、その場合、二本あるケーブルの内どちらを先にどちらを後に接続するべきでしょうか。

あるいは、どちらでもかまわないことなのでしょうか。

計測の経験が浅いと何も考えずに接続してしまうかもしれませんが、ベテランの技術者は即座に判断し正しい順序で接続しているはずです。


正しい順序は、グラウンド(アース)側の接続が先です。

グラウンドでなければインピーダンスの低い方と考えて差し支えありません。

反対側(ホット側)を先につなぐと、高感度の入力にグラウンドから浮いた物体が接続されることになるため、計測器が飽和したり計測器の出力に過大な出力が現れて機器を破損したりする恐れがあるからです。

電源などでは、安全上の観点からもグラウンドを先に接続するのが正しい方法です。


図2は接続したケーブルの引き回しの方法です

この場合の注意は、取扱説明書や技術解説書などで数多く採りあげられていますので細かな説明は要らないかもしれません。

二本のケーブルで大きな輪(信号のループ)を作ると、磁界によってノイズを拾いやすくなるため、できるだけ輪が小さくなるように配線します。

一般的には二本の線を軽く撚り合わせることで外部からの磁気結合を打ち消す方法が有効です。

図2:ケーブルの引き回し

図3は2端子の出力を持つセンサの出力を計測器に接続する場合を示しています

この図で使っているセンサは、出力の一方がセンサの金属ケースに接続され、さらにセンサは被計測物の筐体にねじ止めされているものとします。

図3:接地されたセンサの接続

このとき、被計測物と計測器の距離が離れているとノイズを拾いやすくなるので同軸ケーブルなどシールドがしっかりしたケーブルで接続するのは言うまでもありません。

また、圧電式の加速度ピックアップなど高インピーダンスのセンサを使う場合は指定された専用ケーブルを使うように心がけてください。


実は図3における問題は、計測器側のグラウンド接続にあります。

センサ側と計測器側の双方でグラウンドに接続すると、図に点線で示した大きなグラウンドループが形成されます。

そしてこのループで発生するノイズが計測器にコモンモードノイズとして重畳されてしまうからです。

被計測物との距離が離れていたり、被計測物の筐体にアクチュエータやコンプレッサなど別の大きな電流が流れたりする場合は、大きなコモンモードノイズが発生するので、計測に大きく影響します。

この問題を解決するには、計測器の入力をグラウンドからフローティングさせるか差動入力にします。

反対に、内部で信号線の一方がグラウンドに接続されていないセンサを使う場合は、計測器の入力端をグラウンドに接続しなければなりません。


図4は、被計測物と計測器、あるいは計測器間で二つの信号を受け渡しする場合です。

例えば、ロックインアンプを使う計測では計測信号のほかに参照信号を必要とするので、図4と同じ接続形態になります。

この場合も、二つの信号源と二つの入力の全てのポイント(4カ所)でグラウンド接続すると、図に示したループが形成され、双方に対してコモンモードノイズが発生します。

図4:2系統の信号接続

この問題を回避するには、4カ所のうち何れかをグラウンドから切り離します。
ロックインアンプの場合は、信号入力または参照入力のどちらかをフローティングに切り換えることで、ループを断ち切ることができます。

また、最近では、計測用のアナログ信号と制御用のデジタル信号を同時に接続することも多くなりました。

この場合も図4と同様な接続になるわけですから、アナログとデジタルのグラウンドが接続されてループを形成しないように注意を払う必要があります。

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