計測器・測定器玉手箱
計測器とコネクタ(その2)
計測器とコネクタ(その2)
コネクタは基本的にプラグとジャックの組み合わせです。
オス・メスと呼ぶ人もいますし、記号でM(male)とF(female)と表記してあるものも見かけます。
ところが、BNCなどでどちらがプラグでどちらがジャックか?となると、戸惑うことがあります。
電子計測ではケーブルを枝分けしたり、二つの信号を加えたりすることがありますが、このとき使用するT型のBNCもどこがジャックでどこがプラグかがわからないと、間違ったものを発注してしまうことになります。
基本的に、中心導体が突き出た方がプラグ(オス、M)で、中心導体が引っ込んでいる方がジャック(メス、F)です。
オーディオのイヤホンジャックなどで考えるとわかりやすいのですが、BNCやN型コネクタではかみ合わせが二重になっているのでちょっとわかり難くなります。
が、基本は同じです。
ですから、左の写真のBNCはプラグです。 通常は「BNC-P」と表記します。
BNCやN型のジャックで機器に取り付けるスタイルのものはジャックではなく、リセプタクルと呼ばれる場合もあります。
左の写真のT型のBNCは、通常T分岐あるいはT型デバイダなどと呼ばれます。
左側のものは3つの端子がすべてジャックですので、BNC-JJJ、右側のものはジャックとプラグとジャックになっていますのでBNC-JPJと呼べば間違えがありません。
計測器と計測器をつなぐ場合などに、双方の計測器のコネクタが一致しない場合があります。
その場合は変換用のコネクタを使用します。
各種の組み合わせのコネクタが市販されていますが、これも、プラグとジャックの関係を間違えると接続できないので、入手の際はご注意ください。
たとえば写真の中央のコネクタは「N-P-BNC-J」です。
電子計測では測定器の入力端で終端したい(終端抵抗を入れてインピーダンスマッチングさせる)場合が多くあります。
この場合は終端抵抗器入りのコネクタを使用します。
このタイプのコネクタには片端で完全に終端するもの(ターミネータ)と、両端がコネクタになっているもの(スルータイプ)があります。
使用頻度としては後者の方が多いでしょう。
数百メガヘルツ以上の高周波を扱う場合は終端抵抗の高周波特性(SWR特性)の良いものを使ってください。
また、無線機など電力を発生するものは終端抵抗の耐電力や温度特性にも気を遣う必要があります。