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働き方を変革するモバイルワークステーションに注目

働き方を変革するモバイルワークステーションに注目

                                       (2018.09.28)

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“プロフェッショナル”を支えるワークステーション

この10 年で我々の生活を劇的に変えたデバイスはスマートフォンやタブレット。この意見に同意する人は多いはずです。これらはいつの間にか情報機器の主役へと躍り出ましたが、それはあくまでもプライベートに限った話。むしろオフィスを始めとする仕事の現場では生産性を高めるツールとして、年を追うごとにパソコンの役割が大きくなっています。

背景には、情報過多ともいえる高度なデータ社会の進展があります。今やパソコンはバックオフィスで利用する事務処理の道具にあらず、経営企画やマーケティングにおける分析、最前線の営業支援など、ありとあらゆる部署のさまざまな要求に応える柔軟性・汎用性を備えていることが必須となっています。

すなわち効率よく仕事をこなすためには、パソコンの基本仕様がしっかりしている必要があるのです。一昔前のスーパーコンピューター並みの性能を13 インチのモバイルノートが搭載している――そんなことも珍しくなくなってきました。

さらに、その上位にあるのがワークステーションです。パソコンを自家用車とするなら、ワークステーションは業務用の車。プロフェッショナルな用途に耐えうる堅牢性と信頼性をベースに、高速処理性能を実装したパワフルなマシンを意味します。主なユーザーは3D CAD を多用する建築設計、CAE(計算支援)などで膨大なコンピュータシミュレーションを要する製造業などが代表例です。

ワークステーションの歴史は古く、代表的メーカーのHP やデルは数十年前から展開してきました。その特性からワークステーションはどっしりと構える大型のデスクトップマシンが主流でしたが、ここ数年はノート型パソコンと同じ形状のモバイルワークステーションが勢力を拡大。米国の調査会社、IDC の報告によると日本国内におけるモバイルワークステーションの出荷台数は右肩上がりで伸びています。ではなぜ、ここへ来てモバイルワークステーションが成長しているのでしょうか。

CPUの進化が劇的にワークステーションを軽くした

最も大きな理由は、技術的な進化によってワークステーションを手軽に持ち運べるようになったからです。以前もモバイルワークステーションは存在しましたが、デスクトップ並みの性能を得るためには4 キロ近くの重量となっていました。しかし頭脳となるCPU が年々進化を遂げ、10 年前とは比較にならないほどの小型化・高性能化・省電力化を実現。これにより現在主流のモバイルワークステーションはおよそ半分の2 キロほどとなり、メーカーによっては最小構成で約1.6 キロのモデルさえあります。

最新のモバイルワークステーションでは、第8 世代インテル® Core™ i7 プロセッサーを採用。最大6 コア/12 スレッドのマルチタスク処理を可能とし、高速性を担保しています。

さらに、より安定性を重視したインテル® Xeon® E3 プロセッサー搭載モデルもあります。インテル® Xeon ® シリーズには、ワークステーションの用途に最適化した「for Workstations」という特徴もあるため、作業内容やコストに応じてインテル® Xeon® シリーズ、インテル® Core™シリーズのどちらかを選択できます。

高精細なグラフィック処理を行うハイパワーなディスクリート(独立型)のGPU を搭載できるのも特徴。多くのモデルでワークステーション向けGPU のNVIDIAQuadro® を採用しており、とりわけNVIDIA Quadro® P シリーズが人気です。

働き方改革の流れに合わせてリモートワークが普及する中、大幅な軽量化により場所を問わずに作業ができるようになったことが、モバイルワークステーションの普及を後押ししています。

最小構成時の重さが約1.6キロ、14インチのモバイルワークステーション
モバイルワークステーションの高性能を支える第8世代インテル® Core™ i7 プロセッサー(左)。インテル ® Xeon® E3 プロセッサー(右)。

土木・建設業、製造業がモバイルワークステーションに熱視線

モバイルワークステーションの成長は世界的なトレンドです。デルの報告によれば、日本よりも早くフレキシブルな働き方を導入してきた米国などでは、すでにモバイルワークステーションの比率がワークステーション全体の40%以上まで達しており、デスクトップ型などと比較してその伸び率は3 倍以上にも上るとのことです。

対して、日本のモバイルワークステーションの比率は15%(2017 年実績、IDC 調べ)ですから、これから普及が本格化してくるはずです。前編で述べたとおり、働き方改革によって場所にとらわれずに作業効率を向上していく動きは時代の流れですので、今後ますますモバイルワークステーションには成長の余地があるといえます。

ワークステーションを活用する業界の代表例は、土木・建築業、そして製造業です。それぞれ、どうしてモバイルワークステーションの需要が増えているのかを見ていきましょう。

●土木・建築業

土木・建築業では現在、大規模プロジェクトを中心にBIM(Building Information Modeling)、CIM(ConstructionInformation Modeling)の導入が進んでいます。これらはいずれも3D のデジタルモデルにコストや管理情報などのデータベースを付加して、煩雑な業務の効率化を目指した取り組みです。

その導入には「Lumion」など負荷が高い専用ソフトウェアが必要となり、非常にハイスペックなハードウエア性能が求められます。

土木・建築業ではBIMやCIMの導入に伴い、現場でのモバイルワークステーション活用が進む(写真はイメージ、Adobe Stock)

これらを安定して運用するためにワークステーションが欠かせないのですが、土木・建築業ともにオフィスではなく現場がメインとなります。そこで外出先でも3D デジタルモデルを修正したり、CAD データを高精細なグラフィックで再現したりするためにモバイルワークステーションの活用が進んでいます。

日本では2020 年東京オリンピック・パラリンピック開催に伴い、交通インフラや新規の大型ビル、タワーマンション建設などがラッシュを迎えています。こうした現場ではモバイルワークステーションの需要が高まっており、普及の足がかりとして絶好のタイミングとなっています。

●製造業

これからの製造業のエンジニアにとって、ますます不可欠となるのがCAD(Computer Aided Design、コンピュータ設計支援)、CAM(Computer Aided Manufacturing、コンピュータ製造支援)、CAE(Computer Aided Engineering、コンピュータ製造支援)です。これらは製品の製造工程において、「設計・製造・シミュレーション」のまとまりとして密接に結びついており、いずれもハイパワーなコンピューティングを必要とします。

製造業ではCAD/CAM/CAEが不可欠。可搬性のあるハイパワーなモバイルワークステーションを用いて、現場でのスピード感向上が求められている(写真はイメージ、Adobe Stock)

まだ日本では製品CAD データを社外に持ち出しできる企業は少ないようですが、社内での移動や海外出張時といった場合にモバイルワークステーションを活用する事例も徐々に増えてきています。例えば3D CAD データのコンセプトモデルを上層部にプレゼンしたり、重要な顧客へのレビューを行ったりといったケースです。このようにモバイルワークステーションは現場でのスピード感を上げ、モノづくり王国・ニッポンの新時代を切り開く強力なツールとなり得るのです。

デジタル時代が新たな市場を開拓

そのほか、デジタル時代を迎えてさらに大きな需要が見込まれる業界があります。

●エンターテインメント業界

CG アニメーション、ゲーム制作、映像制作といったデジタルコンテンツ制作業界は、土木・建築業、製造業に匹敵するポテンシャルを秘めています。見やすい大型モニターが必要なため市場としてはまだまだデスクトップ型マシンが主流ですが、最先端のクリエイターたちが場所や時間に縛られずに働きたがっているのも事実です。

第8世代インテル®Core™ プロセッサー搭載マシンを活用したクリエイティブのイメージ(提供:インテル)

また、古くから分業体制が確立されていることから外注の協力者が多く、仕事のフローにリモートワークが組み込まれています。さらに近年では、ライブパフォーマンスと映像をリアルタイムで掛け合わせて舞台演出を行うなど、現場に持ち出すニーズも急増しています。こうした観点からも、持ち運びやすいモバイルワークステーションの需要は高いと考えられます。

●VR業界

進化した映像表現ともいえるVR業界も、高いマシンパワーを必要とします。コンテンツの制作と再生にはハイスペックなCPU性能とグラフィック性能が求められますが、モバイルワークステーションでは「VR Ready」のお墨付きがあるマシンが発売されています。

VR Ready とはVR コンテンツ関連企業(HTCやOculus、NVIDIA など)が定める基準で、快適なVR再生の証として与えられるもの。モバイルワークステーションでVR Ready が保証されれば、さまざまなイベントに持ち出してVR体験を提供することができるようになり、必然的にVRの裾野を広げることに貢献します。

インテル®Xeon®プロセッサーやハイエンドGPUのNVIDIA® Quadro® P5200も搭載可能な17.3インチの「HP ZBook 17 G5 Mobile Workstation」。VR Ready認定モデルで、VRコンテンツの制作・再生ともに滑らか(写真:日本HP)

そのほか、ディープラーニングや機械学習の開発・研究分野、電子カルテや医療画像処理、AI 活用の頻度が高まる医療業界、省スペース化が求められる産業機器の組み込み市場などが期待されています。

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