PROJECTプロジェクトで知るレンテックのソリューション

PROJECT 02 ICT分野

「デバイス×クラウド」の新発想で、
多様なワークスタイルの実現を。

2019年2月、オリックス・レンテックはお客さまの多様な働き方推進のため、最適なデバイスとクラウドサービスを、必要な時に、必要な分だけ導入でき、安心・安全に管理・利用できるサブスクリプション型の「DaaS(Device as a Service)」の取り組みを開始した。この新サービスを購買部門や技術部門などさまざまな部門と協力しながらゼロから企画・設計し、営業支援やプロモーション活動まで手掛けたのが、ソリューション推進チームのメンバーだ。彼らが挑んだ0→1のストーリーをご紹介。

PROJECT MEMBER
MASASHI
ISHIZUKA
石塚 匡
営業推進本部 ICT事業推進部 ソリューション推進チーム
2008年4月 新卒入社
所属部署は取材当時のものです。
SHINYA
TANAKA
田中 真弥
営業推進本部 ICT事業推進部 ソリューション推進チーム
2019年7月 キャリア入社
所属部署は取材当時のものです。

営業現場で感じた、
お客さまの「困った」を解決したい。

2018年11月、新たなサービスを企画し営業支援をする部門として「ソリューション推進チーム」が発足。そのなかでも DaaS は最も大きなミッションの一つであった。DaaSとは、ハードウエアやクラウドサービスなどのお客さまが必要なモノを必要な期間と数量に応じてサブスクリプションで提供するサービスのこと。当時、世間では「働き方改革」がホットワードになり、ワークスタイルの多様化が進んでいたなかで、変化に対応する機動力が求められた。こうしたなか、PCなどのデバイスも、「同じ機種を一括導入、一括管理」といった従来の調達方法では対応が難しいケースが増え、企業の総務・IT部門の負担が増加していた。

実際、営業出身の石塚は、「お客さまからそうした悩みを聞く機会が増え、社内でも解決策が議論されていました」と語る。ソリューション推進チームには石塚をはじめ、金融業、大手電機メーカー営業、技術センター経験者など、経歴の異なる複数のメンバーが集まった。さらにデバイスの調達・管理・設定を手掛ける購買部門や技術部門など、部門を超えた連携によってプロジェクトは動き出した。

さらに時を同じくして、チームは日本マイクロソフト社とそのサービス提供ベンダーから協業の相談を受けた。実は同社でもDaaSのコンセプトが検討されており、パートナー企業を募っていたのだ。石塚は「本当にありがたい申し出でした」と振り返る。

石塚「同社が提供する『 Microsoft 365 』は、ドキュメント作成から、スケジュール共有、チャット、ビデオ会議まで網羅する総合型のクラウドサービスです。当社保有の多様なデバイスと『 Microsoft 365 』のセットを軸に、DaaSを構成するための必要なクラウドサービスをプラスしていれば……と、目指すべきビジョンが明確になりましたね」

経営者、管理者、ユーザー、全員満足のサービスを。

ソリューション推進チームの第一歩は、クラウドサービスへの理解を深めることだった。 Microsoft 365 を情報共有ツールに用いてユーザー目線を養いながら、チーム一丸となって市場調査を行い、メーカー主催の勉強会や社外ウェビナーにも積極的に参加しては、ナレッジを共有。

情報収集・分析の結果、サービス設計で重視すべきポイントが絞られた。一つは、決裁権限を持つ経営者、管理するIT部門、使用するユーザーの全員にご満足いただける「三方良し」を目指すこと。もう一つが「セキュリティ対策」。彼らは「仮想デスクトップ」というシステムをセキュリティ対策の要と考え、選定を検討していたが、多種多様なサービスを前に決定打が見いだせずにいた。

思い悩むメンバーの背中を押したのは、19年にキャリア入社し、チームの一員となった田中だ。大手電機メーカー出身の田中は、ソフトウエアメーカーとの取引経験やメーカー目線の発想を生かし、一つのシステムを提案。

田中「PC内部のデータをクラウドに自動格納する『Shadow Desktop』というサービスです。堅牢な安全性と高い利便性を高レベルで両立していて、これなら管理者もユーザーも満足度が高いはずだと考えました」

もともと検討をしていたサービスだったが前職での販売経験もある田中の意見の後押しもあり、改めて「Shadow Desktop」を検証した結果、市場における競争力の高さ、当社営業目線での売りやすさの観点から、採用すべきだと意見が一致し、社内での申請や手続きを開始した。
多様な働き方において重要なシングルサインオンのサービスやIT資産管理など、DaaSに必要なサービスを取りそろえ、サービスの骨子を確立していった。

※一度の承認で、複数のWebサービスやクラウドサービスにアクセスする仕組みのこと。ID・パスワードの入力や管理の手間を省き、セキュリティを強化することが可能。

営業現場で感じた、
DaaSには、レンタル事業を拡張する
ポテンシャルがある。

ソリューション推進チーム発足から約3カ月後、オリックス・レンテックは新サービス「DaaS」をリリース。サービス設計にまい進するなかで、チームリーダーの石塚はDaaSとレンタル事業の親和性の高さを実感したと言う。

石塚「そもそもわれわれはレンタルサービスを通して、お客さまに必要なデバイスを、必要な設定を施して、機動的に提供してきました。同様に必要な分だけ必要な機能をすぐに提供できるクラウドサービスによってデバイスを軸とした、機動力の高く導入障壁の低いサービスの提供が可能です。これはまさに“as a service”の発想であり、DaaSはレンタル事業の延長線上にあるスキームなのだと感じました」

田中もこの言葉にうなずき、「当社が培ってきた『デバイスの運用力』は大きな強みです」と共感。
このような独自の強みをアピールし、営業支援を行うのもソリューション推進チームの大事なミッション。
プロモーション活動はチーム全員が未経験だったが、マーケティング部門や広報部門の強力なバックアップも得て、セールスツールやPR動画を制作したり、 WEBメディアのインタビューを受けたり、セミナーに登壇したりと、その活動は多方面に及んだ。

石塚「われわれのミッションは新サービスの立ち上げではなく、それを営業が多くのお客さまに拡販し、多様な働き方の実現に貢献することです。その目標達成のために、今後も新しいチャレンジを続けたいと思っています」

現在、DaaSは幅広い業種のお客さまにご利用いただいており、ある流通小売業のお客さまは店舗展開の加速や営業効率が向上するなど、うれしい声も届いている。一方で、市場の反響を通して改善点も見えてきた。昨今のコロナ禍の影響もあり、今後ますます働き方は多様化していくことが予想される。変化し続けるニーズにお応えするために、DaaSは、さらなる進化を目指す。

OTHER PROJECT