PROJECTプロジェクトで知るレンテックのソリューション

PROJECT 01 計測器分野

5Gの普及と社会のアップデートに、
「測定器レンタル」で貢献。

2020年、日本国内で超高速通信規格5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスがついにスタートした。従来の4Gに比べて100倍の伝送速度を可能にする5Gを、いつでもどこでも利用可能にするために、重要となるのが通信基地局の研究開発だ。その現場では、未知の新技術に対応した高精度の測定機器が求められていた。お客さまの課題解決を通して5Gの普及・発展への貢献に挑んだ若手営業2名の活躍をご紹介。

PROJECT MEMBER
SHOTA
MORIYAMA
森山 翔太
東京営業本部 本部営業部 第三チーム
2017年4月 新卒入社
KOTA
HATTORI
服部 紘太
東京営業本部 本部営業部 第三チーム
2019年4月 新卒入社

2人の若手が挑んだ、社会的プロジェクト。

最新の移動通信技術である5Gは、“高速・大容量”に加え、“低遅延”“多数の端末との同時接続”、という三つの特長がある。5Gを活用することで、高精細な画像を共有しながら遠隔手術の実現、自動運転の安全性や燃費の向上、農業では気象は土壌、生育状況など膨大なデータをリアルタイムに収集することで収穫率や作業効率の向上などにつながる。5Gの実用化が進むことは、私たちの生活を豊かにするとともに、さまざまな産業のイノベーションと発展を後押しし、社会が抱えるさまざまな課題への解決につながると期待されている。

通信基地局の開発・製造を手掛ける企業にとって、5Gは未知の領域。5G用に割り当てられた高周波の電波帯は、「移動通信には不向き」とされてきた帯域のため、開発は一筋縄ではいかず、さまざまな最新の通信技術を組み合わせながら可能性を探っていくと言う。

こうしたイノベーションの現場では必ず、最新鋭の測定器が必要とされる。基地局アンテナが発信する電波の強度や位相など、通信品質維持管理のためにさまざまなデータを測定する必要があるからだ。一方、測定器は高額で、利用機会は限られた期間に集中する。また、技術革新が進めばまた新たな測定器が必要になるなど陳腐化リスクも伴う。最先端の研究・開発ほど、ニーズに合った機種選定のみならず導入方法についても、お客さまの悩みの種になっているのだ。

そのようなお客さまの課題を“レンタル”という手法で解決するべく臨んだのが、入社から3年目の森山と、入社1年目の服部の若手2人。2019年7月から、通信基地局の開発・製造を手掛け国内シェアトップクラスの企業の5G開発プロジェクトに携わることになった。服部は当時の心境をこう振り返る。

服部「まさか自分が、入社3カ月目でこのような社会的に意義のある事業に携わるとは想像もしていませんでした。文系出身で測定器に関する知識は全くと言っていいほどなかったので自分が担当して大丈夫なのかという不安もありました。しかし、それ以上に大きなチャンスをいただけたことがうれしかったですし、周りの先輩方が手厚くフォローしてくださったので自然と前向きになりました。」

5G市場をリサーチし、最新機器の購入も企画。

森山と服部はまずお客さまを訪問し、現状のニーズと課題をヒアリングすることから始めた。そこで5Gは4Gまでの計測方法の転用が難しいことや、「技術研究」「製品開発」「量産」と、工程ごとに多種多様な測定機器が必要なことが確認できた。そしてスピード感を持ってお客さまをサポートするべく、チームで分担して各工程の担当者と綿密な打ち合わせを行った。

さらに計測機メーカー各社に協力を仰ぎ、各メーカーの技術的特徴やニーズに対応した製品情報を収集・分析し、お客さまの要望にかなう機器を一つ一つ提供していった。しかし、最初から順風満帆とはいかず、既存の技術では対応できないような計測手段を相談され、頭を抱えることもしばしばあった。そうした局面を乗り越えられたのは、オリックスグループならではの「社内連携の文化」があればこそだと、森山は語る。

森山「私の部署のメンバーは、通信インフラに関わるさまざまなお客さまを担当しています。メンバーと5G開発に関する技術トレンドや成功事例を共有しあう中で、ブレークスルーのヒントが見つかることが度々ありました」

オリックス・レンテックでは数十万台の測定器を自社保有していますが、今回のプロジェクトではどうしても新規で取り扱うことが必要な測定機器が複数台あった。新規購入する際は自分の判断だけでなく、購買部門や技術部門との調整が必要になる。森山はこうした難題も、周囲の助言やサポートのおかげで解決できたと言う。

森山「きっと自分一人では稟議を通すことはできなかったと思います。5Gマーケット全体のレンタルニーズの捉え方や機器の収益性の見極め方など、メンバーをはじめ購買部門や技術部門の協力が本当に大きかったですね」

「協業」と「共創」で、5Gの活用法も創造。

5G基地局開発における全工程に携わった彼らのフィールドは、さらに広がっていった。
さまざまな業界の企業が課題やニーズ、技術を共有し、新たな取り組みやサービスを共に作り上げる“場”としてNECさまが立ち上げた『5G Co-Creation Working』に参画し、5Gを活用した新たなビジネスモデルの共創活動を行っている。

オープンイノベーションプログラムでは他社の参加者と一緒に社会課題の解決のために、5Gの「高速・大容量」「低遅延」「多数の端末との同時接続」といった特長をどう生かすべきかについて議論を重ね、柔軟な発想でアイデアを出し合う。そして都内の大学とのコラボレーションによる「遠隔授業」の実証実験を実現した。

服部「4G環境では映像がカクカクしていたのが、5G環境では一変し、教授の息遣いや教室の臨場感まで伝わってきました。5Gによって今後世界がどう変わっていくのか、その可能性を実証できたのは大きな成果でした。また、当社がそこにどのように関わっていけるのか考える機会にもなり、個人的にも貴重な経験となりました。」

今回の5G開発プロジェクトを通して森山は「前例のないチャレンジをするときには、ちゅうちょせず全力で実践すること」が重要だと感じたと言う。また、オリックス・レンテックは入社年次に関係なくチャレンジできる環境が整っており、社内だけではなくオリックスグループ全体を通じてさまざまな協力が得られる。協力者が増えれば、大きなチャレンジも決して夢ではない。
実際に、彼らのプロジェクトは次の大きなステージへと踏み出している。それは5Gの先にある6G時代に向けた次世代規格の研究開発支援だ。社会の今と未来を結ぶ挑戦に終わりはない。森山と服部は、これからもお客さまのため、世界の発展のために走り続けるのだ。

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