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【GPGPU:その3】GPGPUによるディープラーニング、その先は?

3回目となる本コラム。今回のテーマの展開は「GPGPUによるディープラーニングの現状および今後どうなっていくのか?」について紹介します。ディープラーニングは、人工知能(AI)を進化させるための機械学習の1つとして注目されています。

■AIも人間と同じで学習が必要

長い時間かけて蓄積してきた莫大なデータベースがあったとします。そのデータベースとAIを組み合わせれば、その情報に関するあらゆることを知っているAIが完成するように思えます。例えば囲碁や将棋のAIは、過去何百年にもわたり保存されてきた棋士同士が対戦した記録(棋譜)のデータベースと組み合わせることで、あらゆるパターンに対応できるようになると思われています。
ところが、実際はそうではありません。単に対戦用AIと膨大な棋譜データをつないだとしても、AIは自由に棋譜を引き出して使うことができません。そのデータベースを使いこなせるようになるまでAIは人と同じように囲碁や将棋の基本的なルールから勉強する必要があります。その学習の手法として、最も注目を集めているのがディープラーニングなのです。

■ディープラーニングとは何か?

前回も少し説明しましたが、ディープラーニングは、蓄積した莫大なデータベースに含まれる様々なデータを照合する作業です。例えば、人の名前と顔を一致させるという作業を考えてみましょう。人間は人の顔を部分的に把握するのではなく、顔全体で記憶します。さらに、その人の声なども考慮して、該当する人物を瞬時に特定します。
しかし、現在のAIは人間と同じような判断はできません。そのため顔の輪郭から髪の毛の色、目の形や色、そして肌の色、鼻や口の形といった各部分を、データベースに含まれるデータと、1つ1つ照合していくのです。そしてすべての部分が合致している人物がデータベースに存在しており、名前が登録されていて初めて、その顔の持ち主の名前が判明するのです。
こうした部分的な照合を何度も繰り返していくと、AIが人の顔を見て名前を判断する作業が、高速になって行きます。まさに学習の成果が出てきたと言えます。

■製造業におけるAIの役割とは?

前回、工場の正常な稼働音と異常発生時の稼働音をデータとして持つことで、AIによって異常発生時の判別が可能になると説明をしました。
人間は経験を積むことによって、通常では計り知れない力を発揮します。例えば工場内の異常な音を聞き分け、何が起こっているのかを瞬時に判断することもできます。こうしたことは、一般の人たちでは不可能ですが、長い間経験を積むことで可能になるのです。
ディープラーニングは、これと似ています。ただ、人間が長時間かけて経験することを、疲れを知らないAIであれば連続して経験させることができるため、人間よりも早くベテランの領域に達することができるのです。
ベテランの領域まで人を育てていくには、非常に長い時間がかかります。ところがAIに学習させることで、そうした期間を一気に短縮することができます。また、複数の工場において同じレベルで監視を行うには、多くのベテランが必要です。ところがAIであれば、同じ性能を持つAIを工場の数だけそろえることで、同じレベルでの監視が可能になるのです。こうしたことを学習するのにディープラーニングは最適な学習方法と言えます。

■AIのクオリティはどうやってチェックする?

製造業におけるAIは、作業を効率化するため、また危険な作業を人に代わって行うためという目的があります。工場のライン上に流れているパーツを見て、その後、どういった工程に移ればいいのかといったことを正しく判断し、ロボットアームを使って、その工程を処理するといったことが可能になります。そのため同一のライン上に複数の異なる製品が流れていても、それぞれを完成させることができます。
将来は、完全な自動化が行われるようになるでしょう。また、それまでの過渡期として、作業員たちの間に機械が置かれ、人と一緒に製造を行うといったケースが出てくるでしょう。機械は、正確に処理を行いますが、人間はそうはいきません。つまり、AIが同時に作業している人間たちのペースを乱す存在になってしまうと非効率になってしまうこともあるのです。
そのため人間と一緒に稼働させた際の安全性を測る指標が必要になってきます。

そこで総務省は、昨年の暮れに企業が開発する人工知能(AI)に公的認証を与える制度を設けることを決めました。この制度では、AIの安全性やセキュリティーなどを評価するものです。

AIを開発して売り込む側は、自社のAIが人に対して安全であるかをアピールできます。逆にAIを導入する側は、導入するAIが安全であるかを確認できるというわけです。

■人間をコーチできるAIロボット先生の可能性

ディープラーニングによって進化を続けているロボットとして注目を集めギネス認定までされたのがオムロンの卓球コーチロボット「フォルフェウス(FORPHEUS)」です。今年のCEATEC 2016でも出展されており、来場者の注目を集めていました。

オムロンの卓球コーチロボット「フォルフェウス(FORPHEUS)」

このロボットは、2013年に初代が登場してから進化を続けてきています。「人の特徴や球すじを学び、自ら成長するAI」が組み込まれており多くの人たちと卓球のラリーをすることで、ロボットの持つAIがどんどん進化していくそうです。
具体的には人間とラリーすることで、卓球をする人の特徴を学習。相手の身体情報、球の軌跡、ラケットの振り方などから、卓球のレベルを判別し、これまでに蓄積したデータを元に返球方法を変え、よりその人に適したラリーを行うことができるといいます。

この学習方法として採用されているのがディープラーニングです。学習を続けた結果、人の手で行っていた制御や調整を、AIのディープラーニングを用いて行うことにしてから、打ち返しやすい場所への返球の精度を±5cmまで向上させることに成功したそうです。
ちなみに、この卓球ロボットは、人に卓球を教えることを目的として登場しています。将来、機械コーチの指導により世界大会で優勝する選手が登場するかもしれません。
AIによるコーチは卓球に限った話ではありません。例えば製造業では、昔はベテランの親方の弟子となって、つきっきりでさまざまな手法を教わることで自分のスキルを上げていくという徒弟制度がありました。現代では、この制度は伝統工芸の世界などでしか残っていませんが、人間に代わりAIが教えるといったことが可能になります。
また、NVIDIAは機械学習型AIの研究開発ができるシステム「DeepLearning BOX」を開発しました。

機械学習型AIの研究開発ができるシステム「DeepLearning BOX」

NVIDIAのディープラーニングシステムの凄いところは、並列で学習を進めることができる点です。例えば、九九を覚える際に、1度で1の段から9の段までを同時に学習するといった人にはできない学習が可能です。
このように、一度で複数のことを学習することで、AIは、人が学習していく速度を超え、なおかつより賢く成長して行けるようになっています。
AIはいまや国家プロジェクトになっており、経済産業省は、GDP600兆円を達成するには、AIを活用した新たなサービスや製品を生み出すことが必要との認識を示しています。
AI活用の短・中期予測では、既に利用が進んでいる創薬、バイオ、金融などの分野での利用拡大、 長期予測では、自動車分野における自動運転走行の実用化や、製造業のスマートファクトリー (産業ロボットの活用などによる工場の自動化)など、さまざまな産業に大きなインパクトを与え、産業構造に変化をもたらすものと考えられています。

例えば工場における製造工程を一度に何工程も学ぶことができます。その学習過程を考察し、理想的な工程を組み直すと言ったことも可能です。そして遠くない将来、工場はロボットアームだけで、一切人間が関わらない完全無人工場へと変わっていくかもしれません。
さて、次回は3Dグラフィックスの進化とVRが組み合わさることで見えてくる将来について紹介します。

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