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【GPGPU:その2】GPGPUを使ったAIの現状と将来の展望


                                       (2016.12.26)

 さて2回目となる本コラムのテーマはAIです。AIは、Artificial Intelligenceの略で、文字通り人工的に作られた知能(以下、AI)という意味になります。

現在実現できているのは単機能AIのみ

 AIで重要なポイントとなってくるのが「知能とは何を指しているのか?」といったことです。例えばiPhoneシリーズに搭載されている秘書アプリ「Siri」、Android端末に搭載されている「Google Now」、Windows 10に搭載されている「Cortana」(コルタナ)などは、AIアシスタントと呼ばれます。

 これらAIアシスタントは、ユーザーに代わって端末の操作をしてくれたり、ユーザーの代わりに調べものをしてくれたりする機能です。いずれもアシスタント的な機能に絞り込まれており、ありとあらゆることが可能ではありません。
 例えばSiriに話しかけると、話した内容(文章や文脈)を理解し、iPhoneでの操作を代行してくれます。ネットで中華料理店の住所を調べて予約の電話をかける場合、Siriにネット検索をさせてお店の住所や電話番号までを調べることができます。もちろん、その電話番号にダイヤルするところまで行えます。

 それは、そうした機能をAIアシスタントに組み込んでいるためです。同様のことは、Google NowやWindows 10のCortanaにも言え、AIアシスタントで、あらゆることが実現できるわけではなく、現在のAIでは、可能なことに限界があるのです。
 例えば、将棋対戦用のAIは、将棋しかできません。囲碁対戦用のAIも囲碁しか打てません。もっと早く実用化されたチェスの対戦用AIも、チェスしか打てません。

 このように現在実用化されているAIは、特定のカテゴリーに関する人工知能であり、あらゆる物事を判断できるまでは進化していません。ちなみに、何でも判断できる人工知能はAIではなくAGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)と呼ばれます。

 IBMのAI(※1)であるWatson(ワトソン)は、人間の言葉のあいまいさを理解し、さまざまな質問に答えることができます。

 しかし、人でもなかなか答えることができない不確定要素の高い質問(宇宙人は存在するのか? UFOはどこから来るのか? 人の心は、体のどこにある?など)に対する明確な答えを導き出すことはできません。

つまり現在の人工知能は、特定の用途に限って、人の代わりを行うことができる段階にあると言えます。

※1:IBMは、WatsonをAIとは呼んでおらず、人間が話す自然な言語を理解・学習し人の意思決定を支援する「Cognitive Computing System」と定義していますが、広義の意味ではAIに分類されています。

製造業におけるAIは、どんな役に立つのか?

 人の行動を代行することが可能なAIですが、製造業における活用も行われています。例えば、2016年10月に行われたCEATEC Japan 2016(※2)では、製造業におけるAIの活用例として「NTTグループ」が実際に導入している事例を紹介していました。

 具体的には、製造工場の通常時の正常な稼働音を記録しておき、データベースに保存しておきます。通常とは異なる音を検知した際に、AIが正常とは異なると判断し、管理者へアラートを発するという「異音検知システム(NTTデータ)」があります。

 これまで人が行ってきた異音検知をAIが代行してくれることで、製造業における既存の工場の完全無人化や少人数化といった効率化に役立ちます。

 これまで人間の手によって24時間365日体制で監視してきたことが、AIを導入することで人に代わってAIが監視してくれるようになります。機械は疲れないし休みも不要です。不満も言わずに黙々と監視業務を行ってくれるでしょう。

 工場における製造工程の自動化もAIの導入で、これまで以上に効率的に進化させることができるようになります。人の手からAIへ仕事を託した方が良い作業などは、今後、徐々にAIへと移っていくことでしょう。

 こうしたAI機能を実現するためにも、前回紹介したGPGPUが活躍しているのです。

製造業におけるAIによる異音検知システム(NTTデータ)

※2:CEATECはCombined Exhibition of Advanced Technologiesの略、日本で毎年開催されているアジア最大級のIT技術の国際展示会

AIを実現するのに必要な手法「機械学習」

 私たち人間は、知能を向上させるために学習をします。小学校や中学校、高校、大学といったより高度な知識を身に付けるためには、高度な学習を行う必要があります。これは人工知能でも同じで、知能を高めていくためには学習が必要になります。AIを成長させていく学習方法を「機械学習」と呼びます。
 機械学習をざっくりと説明すると「ありとあらゆる知識のデータベースを構築し、それらをひもづけていく作業」ということになります。

 人の顔を判断する機械学習では、まず人の顔全体のデータベースを構築します。次に髪型のデータベース、眉毛のデータベース、目の形や色のデータベース、鼻の形のデータベース、唇のデータベース、輪郭のデータベースといった具合に顔全体を細かく分けて、それぞれのデータベースを構築します。

 こうやって構築されたデータベースと、人の顔写真とを照らし合わせ、それぞれのデータベースから一致する部分をつなぎ合わせることで、最終的に人物を特定することができます。細分化するデータが細かくなるほど、人の顔を認識し、特定する精度も上がります。

 こうした特定のデータベースを階層構造で構築していく機械学習の手法を「ディープラーニング」と呼びます。データベースの階層を深くしていくほど精度が高まるため、現在の機械学習の標準的な方法として定着しつつあります。

 たとえばGoogleの関連会社であるDeep Mind社によって開発された囲碁対戦用AI「AlphaGo」がプロの棋士と対戦し勝利した際に使われた機械学習がディープラーニングでした。以降、ディープラーニングが機械学習の中心へと躍り出ることとなりました。
 ディープラーニングは、複数のデータベースから持ってきたデータとの照合作業といった並列処理を繰り返して行う必要があります。先述した顔認識でいえば、目、鼻、口、髪型、輪郭といった部分の照合を同時に行うわけです。

 実は、こうした処理は、GPUが最も得意とするところなのです。
 NVIDIAのGPUでAIを使ったディープラーニングを行うシステムを構築するためのミドルウェアに「DIGITS」というのがあります。また、このDIGITSを搭載し、ディープラーニング含む機械学習型AIの研究開発ができるシステム「DeepLearning マシン」があります。

機械学習型AIの研究開発ができるシステム「DeepLearning マシン」

AIはどこを目指すのか?

 これまで紹介してきたようにAIを平たく言えば、これまで人が行ってきたことを機械が代わりにやってくれる機能となります。つまりAIの機能が進化し、さまざまな業種に広がっていくと、将来的に人の仕事を奪ってしまうと言われています。当初は、人が嫌がる処理に使われますが、それ以外のことにも応用されていくでしょう。

 最近では、高齢者による自動車事故が問題になっていますが、自動運転車が普及すれば、こうした問題も解決できます。タクシーやバス、長距離トラックといった人が車を運転する仕事もなくなるかもしれません。

 医療の世界もAIによる正確な診断に適切な投薬指示、ロボットによって自動的に行われる精密な手術などで人間の医師が不要になるかもしれません。

そして究極のAIとは、人の脳を機械で再現することです。冒頭で紹介したAGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)の実現と言えるかもしれません。

次回は、ディープラーニングがもたらす技術、将来実現されるであろう技術について紹介します。

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