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【Windows 10:その1】  新規導入も移行もより楽に!  Windows 10の全社展開をスマートに進める

【Windows 10:その1】  新規導入も移行もより楽に!  Windows 10の全社展開をスマートに進める

                                       (2018.5.2)

Windows 7の延長サポート終了日を2020年1月14日に控え、Windows 10への移行が本格化しつつあります。多くの企業ではこれまでにも全社的なOSのアップグレードを経験してきたはずですが、Windows 10への移行は従来の作業と基本的に変わらない部分もあれば、大きく変わる部分もあります。今回の連載記事では、クライアントPCの運用管理者が効率的にアップグレードに対応できるよう、Windows 10の企業展開に際して注意すべき点や最新事情について解説していきます。

Windows 7の延長サポート終了間近!そろそろデッドラインに

2020年1月14日にWindows 7の延長サポートが終了します。新たなOSへの移行に必要な期間は、組織の規模や環境などによって異なりますが、各々の企業ではWindows XPから移行を行った経験をもとにデッドラインを想定しているのではないでしょうか。ただし、Windows XPからの移行とは異なる要素も多いため、必ずしもあてにはなりません。十分に間に合うと思って、いざ着手したら手遅れだったというケースもあり得ますし、逆に、Windows 10の新たな特性をうまく活かすことで、意外に短期間で移行が済んでしまうことも考えられます。

Windows XPからの移行では、情報システム部門で情報収集・検証・設計などの事前準備を綿密に行った上で、サポート終了とともに満を持して全社展開を図るという方法をとった企業が多く見られました。しかし、こうした従来の手法は時間がかかる上、移行後のリスクも大きくなりがちです。そのため、マイクロソフトではWindows 10へ移行する企業に対し、業務単位、グループ単位でトライ&エラーを繰り返し、段階的に全社へと展開する手法を推奨しています。これにより、リスクを早期に解消し、負荷を分散しながら無理なく最新環境へ移行することができます。

全社への展開を問題なく完了するためには、きちんとした手順に沿って、計画・実施する必要があります。延長サポート終了日までまだ少し猶予があるとはいえ、情報収集を進めながら、どのような手法で、どのような手順を踏んで移行を行うかは、すぐにでも検討を始めておくことをおすすめします。

企業がWindows 10を導入するための“3つの方法”

企業がWindows 10を導入する方法には、以下の3つがあげられます。

1.ワイプ&ロード

Windows 10の展開では、どのようにOSをインストールし、自社の業務環境で利用できるように各種設定を行うかが重要です。従来、企業で大規模な更新を実施する際には、デバイスのリプレースを同時に実施、もしくは既存デバイスを初期化した上で、マスターイメージを用いてOSを新規にインストールし、データや各種設定は別途移行するケースが多く見られました。これは「ワイプ&ロード」と呼ばれるもので、既存のアプリケーションや各種設定などを引き継がずにクリーンな状態で開始するため、OS更新に伴うトラブルが発生しにくく、安全・安心な展開方法だといえます。Windows 10を展開する場合も、この「ワイプ&ロード」の利用が可能です。

2.インプレースアップグレード

デバイスをリプレースするのではなく、既存デバイスを引き続き利用する場合には、Windowsインストール プログラムを実行する方法をとることも可能です。これは「インプレースアップグレード」と呼ばれるもので、アプリケーションやデバイスドライバ、システムの各種設定など、既存のOS環境を維持したまま、OSをアップグレードできます。そのため、複雑な展開インフラストラクチャが不要で、情報システム担当者などが行う作業も最小限で済むというメリットがあります。ただし、OSのアップグレードと同時に、OSのアーキテクチャを変更したい、あるいはBIOSからUEFIの利用へ切り替えたいという場合にはインプレースアップグレードでは対応できないため、ご注意ください。

3.プロビジョニング

Windows 10が搭載されたデバイスを導入する場合は、新たに追加された「プロビジョニング」という展開方法を選択することができます。企業導入においては、最新OSがプリインストールされたPCを用いる場合でも、前述の「ワイプ&ロード」を実施することで、自社で作成したマスターイメージを適用するというやり方が、一般的に行われてきました。Windows 10では企業ポリシーやドメイン参加情報などの設定をプロビジョニングパッケージとして作成することが可能です。ユーザーは新たなデバイスに対してこのパッケージを適用するだけで、すぐに業務で使えるようになります。

1.ワイプ&ロード自社で利用する際に必要な設定やアプリケーションインストールなどを適用したカスタムOSイメージを作成して、デバイスをクリーンインストールする。
2.インプレース
 アップグレード
既存のデバイスの設定やアプリケーションを維持したまま、OS部分のみをアップグレードする。
3.プロビジョニング管理者が企業ポリシーやドメイン参加情報などの設定をプロビジョニングパッケージとして作成し、それをユーザーが適用する。

Windows 10を導入する際に踏むべき手順とは

Windows 10に移行する際の具体的な手順を簡単にまとめておきます。Windows 10を組織内へ速やかに、また問題を生じさせることなく展開させるには、以下のような5つのフェーズに沿って取り組むことが望ましいです。

1)計画

クライアント環境や利用アプリケーションを確認したうえで、移行計画の立案や、展開手法の決定を行います。Windows 10では、「Windows as a Service」というコンセプトのもと、常に最新の環境を保てるよう、機能更新/品質更新のためのプログラムが継続的に提供されるため、移行後の運用も視野に入れながら、展開手法などを検討していく必要があります。

・現状のデバイス環境(ハードウェアやOSなど)、ユーザーや業務ごとの利用アプリケーションを
確認。
・全体のスケジューリングや予算の策定、段階的な導入の内訳など、具体的な移行計画を立案。
・前章で解説したインストールや展開など、3つの手法から選定。

2)検証

全社展開の前に一部導入を行い、互換性や動作環境を検証します。クラウドベースのIT管理ソリューション「Microsoft Operations Management Suite(OMS)」で利用できるWindows AnalyticsのUpgrade Readinessでは、アプリケーションやドライバなどの互換性チェックが可能なので、うまく役立てましょう。

・アプリケーションの互換性検証。
・ハードウェア・周辺機器の動作検証。

3)導入・展開

実際にWindows 10を全社展開していきます。展開方法によっては、データ移行やマスターイメージ配布などに多大な時間や手間がかかる可能性もあるため、注意が必要です。

・既存デバイスのアップグレード作業。
・新規調達したデバイスの展開作業。

4)トレーニング

Windows 10の導入が完了したら、操作や新機能などについて社員教育を行い、その後の問い合わせなどに対応します。特にWindows 8を経ずにWindows 10へ移行する場合には、インタフェースが大幅に変わるため、重要なフェーズとなります。

5)運用管理

全社展開したWindows 10デバイスを常に最新の状態に保てるように運用していきます。前述のとおり、Windows 10では機能更新/品質更新のためのプログラムが継続的に提供されるため、効率的に検証・更新を実施できる体制を確立する必要があります。

・新機能を追加する「機能更新プログラム」の適用(年に2回)。
・セキュリティと信頼性の修正プログラムを提供する「品質更新プログラム」の適用(月に1回以
上)。
・Windows 10への移行時と同じく、事前検証や段階的な導入を行うことで、なるべくトラブルを回避しながら更新を適用。


今回の連載記事では上記フェーズのうち、「3)導入・展開」と「5)運用管理」を中心に取り上げていきます。次回は「Windows 10導入後の運用管理」です。Windows 10では、移行後の運用を定めづらいがゆえに、全面導入に踏み切れない企業が少なくありません。特に、年に2回行われる機能更新プログラム「メジャーアップデート」の適用を、どのようにコントロールするかという点は大きな課題であり、対処の仕方を事前に固めておくことをおすすめします。また、移行後の運用管理についての知識が、旧OSからのアップグレードにも役に立ちます。次回、ぜひご期待ください。

【第2回】Windows 10導入後の運用管理~メジャーアップデートとの上手な付き合い方とは
【第3回】既存デバイスのWindows 10移行~Upgrade Readinessで事前評価を容易に
【第4回】Windows 10デバイスの新規導入~プロビジョニングで展開作業がぐっと楽に


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