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働き方改革をパソコンのCPUという視点で考えてみる【後編】

働き方改革をパソコンのCPUという視点で考えてみる【後編】

生産性は1.7倍、内蔵GPUの性能はなんと約7倍!――仕事の差を生むCPU性能

                                       (2017.11.20)

それでは実際に、最新のインテルCPUと旧世代のインテルCPUを比較した際にどれだけの差があるかを確認してみましょう。リプレースすることで特に大きな効果が得られるのは、5~6年前にリリースされたインテル Core プロセッサーの第2世代(開発コードネーム:Sandy Bridge)や第3世代(開発コードネーム:Ivy Bridge)を搭載している製品になるでしょう。

最新世代のインテル Core プロセッサーは第8世代となり、モバイル向けの製品(開発コードネーム:Kaby Lake Refresh)とデスクトップ向けの製品(開発コードネーム:Coffee Lake-S)が提供されています。ただし、現時点ではまだそれらを搭載したパソコンが十分に販売されていません。そのため、この記事ではモバイルパソコンやデスクトップパソコンの搭載製品が充実している第7世代のインテル Core プロセッサー(開発コードネーム:Kaby Lake)を比較対象にします。

第7世代のインテル Core プロセッサーでは、トランジスタの微細化は行われず、第6世代(開発コードネーム:Skylake)の製造プロセスルール(14nm)の最適化が行われました。ちなみに14nmはインフルエンザウイルスの直径(約100nm)よりも遙かに小さいサイズです。この14nmプロセステクノロジーでは、インテルが業界に先駆けて実用化した3Dトライゲートトランジスタの第2世代が採用されています。従来のトランジスタと比べて少ない電力で、高速なスイッチ動作を可能にし、パフォーマンスの向上と高い電力効率を達成しているのです。

この14nmプロセステクノロジーが最適化された第7世代のインテル Core プロセッサーは、第6世代と比較してクロック周波数が向上しています。例えば、第7世代のデスクトップ向けのインテル Core i7プロセッサーでは、クロック周波数は最大4.2GHz(ターボブースト時は最大4.5GHz)を実現しています。また、内蔵するGPUのビデオエンジンも強化されました。内蔵GPUの基本的な設計は、第6世代のCore プロセッサーで採用された第9世代のGPUと変わらないのですが、ビデオエンジンが改良されたことで、HEVC 10bitのエンコード/デコード、VP9のデコードなどの機能が追加されています。

第7世代のインテル Core i5-7200Uプロセッサーと6年前に提供が開始された第2世代のインテル Core i5-2467Mプロセッサーの性能比較が、以下の図になります。

第7世代のインテル Core プロセッサーは第2世代のインテル Core プロセッサーと比較して、生産性が1.7倍に高まり、マルチタスク時の性能も1.6倍に高速化されています。また、4Kの動画変換機能などにおいては第2世代と比較して約7倍も高速に処理できるのです。こうした高い動画性能・高品質なコンテンツへの対応力は、動画などの使用ニーズがさらに高まっていくこれからのビジネス環境において必須となるでしょう。

働き方で選び分けるCore i7/i5/i3/m

実際に第7世代のインテル Core プロセッサーを搭載したパソコンを選択する際は、第7世代のラインアップにも着目する必要があります。ご存知のように、「Core i7」「Core i5」「Core i3」「Core m」など複数のラインアップが存在するからです。以下、それぞれの特徴です。

Core i7

動画のエンコードや編集などのクリエイティブ作業をパワフルに行えるハイエンド製品。主なコア数は4か2、スレッド数は8か4。ターボブーストあり。キャッシュは8MB、6MB、4MB。

Core i5

Core i7とCore i3の中間で、軽い動画のエンコードや編集などもストレスなく行えるミドルクラス製品。主なコア数は4か2、スレッド数は4。ターボブーストあり。キャッシュは6MBか4MB。

Core i3

ExcelやWordなどのOfficeソフトの利用やWebブラウジングなど、それほど負荷が高くない作業向け製品。コア数は2、スレッド数は4。ターボブーストなし。キャッシュは4MB、3MB。

Core m

モバイルパソコン向けで、Core iシリーズと比較して消費電力や発熱が抑えられた製品。TDPは4.5W。コア数は2、スレッド数は4。ターボブーストあり。キャッシュは4MB。第6世代まではm3、m5、m7のラインアップがあったが、第7世代からはm3のみになった。

例えば、タブレットとしてもノートパソコンとしても利用できて、場所を選ばない作業環境を実現する2in1パソコンでは、携帯性(軽さや長時間バッテリー駆動)と処理能力の双方が求められます。そのため、消費電力と発熱量が低いCore mを採用してファンレスによる薄型化と長時間バッテリー駆動を実現した製品が多く登場しています。もちろん2in1製品でもCore iシリーズを採用してパワフルかつ軽量、長時間バッテリー駆動が可能な製品もあるので、あとはコストとの兼ね合いになるでしょう。

働き方改革が進行する現在は、使用しているパソコンを見直すよいタイミングにもなります。搭載されるCPUの観点から、オフィス作業やモバイル活用に最適なパソコンを選択できれば、さらに働きやすい環境が整備でき、仕事の効率化と生産性の向上を実現できるでしょう。

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